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なぜ高カロリーなものほど食べたくなる?糖質と脂質がアレを刺激していた

2019.11.4
高カロリーを欲する理由

気がついたらつい揚げ物を食べている、コンビニのお菓子や、ファーストフードをときより無性に欲してしまう・・・なんてことはありませんか?どうして人は高カロリーなものほど魅力を感じ、食べたくなるのでしょうか。栄養学とスポーツ科学を専門とする筆者が、その理由について迫ります。

つい高カロリーなものを食べてしまうのは何故?

霜降りステーキ、唐揚げ、ポテトチップス、ファーストフードなど、高カロリーな食べ物はおいしくてついお箸が進んでしまいます。

ダイエットをしていると、こうした油の多い食事は太ってしまうのでできるだけ避けたいですよね。しかし、おいしいのでつい食べたくなってしまい、ダイエットの成功率を下げてしまいます。

そもそもどうして私たちは油の多い食事を好むのでしょうか。その理由を知るとダイエットの成功に繋がるかもしれません。今回は、どうして高カロリーなものほど食べたくなるのか、その理由について解説したいと思います。

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食欲は胃ではなく「脳」で感じる

脳

そもそも、ものを食べたいという欲求には脳が関係しています。

私たちの体は食事からエネルギーを得ないと動かすことができません。体の中にある程度の栄養を蓄えることはできますが、蓄えられる量には限りがあり常に食事からエネルギーを補う必要があるのです。

体がエネルギー不足だと感じると、その情報が脳に届けられ、体に何か食べなさいという命令を出します。これが食欲の正体です。

また、本当の空腹ではなくても食欲を感じることがあります。エモーショナルイーティングとも呼ばれる、感情に支配された食欲のことです。寂しい、満たされない、つまらないといった気持ちを食べることで埋めようとする行動です。体はエネルギー不足ではなくても、脳が辛さを察知すると幸せを感じようと、体に何かおいしいものを食べるように命令を出すことがあるのです。

脳の“報酬系”が食欲を増進させる

脳の中には“報酬系”というものが存在しています。これは脳の部位ではなく仕組みの名前です。

私たちは食事をして食べたものがおいしいと思うと、脳の中で「ドーパミン」という快楽をつかさどる物質が放出されます。それにより脳はもっと食べたいと感じます。この一連の流れを報酬系といいます。

私たちの頭の中には、このようにおいしいものを食べるともっと食べたくなるという仕組みが備わっているのです。これが高カロリーなものを、より食べたくなる理由の一つとして挙げられます。

糖質と脂質が多い食事は“報酬系”を活性化する

高カロリー食

高カロリーなものには、糖質や脂質が多く含まれていることが多いです。

ある研究では、糖質が多く含まれているものや脂質が多く含まれているもの、糖質と脂質の両方が多く含まれているものを見せていき、どれを食べたいか選んでもらうという実験が行われました。

すると、人々は糖質と脂質の両方が多く含まれた食事をより食べたいと感じるという結果になりました。食事を見た時に脳の中がどうなっているのかを詳しく調べたところ、糖質と脂質の両方を多く含む食事を見た時に、脳の報酬系に関わる部位が強く活性化されていることが分かりました。

また油の多い食事に含まれるカロリーはほぼ正確に見積もれたが、ハンバーガーのような脂質と糖質の両方が含まれた食事に含まれるカロリーは過小評価されたという実験データもあります。

つまり脂質が多く高カロリーな食品ほど脳の報酬系を活性化させ、たくさん食べたいと思わせているのです。さらに残念なことに、たくさん食べる上に、あまりカロリーを摂取していないだろうと考えがちなので、太ってしまうことに繋がるのです。

油は6つ目の味覚!?高級焼肉が美味しく感じる理由

高カロリーなものには油が多く含まれています。実は、油は6つ目の味覚になるとも言われていて、それが高カロリーなものを好んで食べてしまう理由として考えられます。

味覚には「甘味」「苦味」「旨味」「酸味」「塩味」の5つがあります。こうした味を感じるのは、舌にこれらの味を感じ取り脳に情報を届ける受容体と言われるものがあるからです。

まだ研究が進められている途中ですが、舌に脂質を感じ取る受容体があるため脂質は6つ目の味覚である可能性が考えられているのです。

脂質の味を感じるということは、脳は脂質をおいしいと感じてもっと食べたくなることに繋がります。霜降りの高級なステーキや焼き肉を美味しいと感じるのはそのためかもしれません。

報酬系を抑えて食欲をコントロールする方法

ドーナッツにキックする女性

脳は高カロリーなもの、特に糖質と脂質が多く含まれたものを見ると報酬系が活性化されて食べたいと感じるということが分かりました。では一体、どうすればこの報酬系に打ち勝つことができるのでしょう。

まず、脳の報酬系は理性で抑えることができます。ジャンクフードや揚げ物は絶対に食べない!という確固たる意志があれば、食べ続けることはなくなります。

意思が弱く負けてしまう、食べることが好きで辞められないという方は以下の方法も参考にしてみてください。

・自然のものを中心に食べて味わう

糖質と脂質が多く含まれているものは、ジャンクフードやお菓子、ケーキなどが挙げられます。これらの食べ物は人が作り出した食べ物です。一方、卵や牛乳、お肉、野菜など自然から取れる食べ物には糖質と脂質が多く含まれているというものはほとんどありません。タンパク質も多く含まれていて健康にいいです。

報酬系を活性化させず、食欲をコントロールするためには、自然から取れる食べ物を意識して食べることが有効です。だんだんと味覚が、自然の味になれてくるとジャンクフードを欲しなくなります。

・1日7時間寝る

睡眠不足だと、食欲を増進させるホルモンの分泌が増え、つい食べ過ぎてしまいます。また睡眠が十分でないと、頭が働かず意思も弱くなりがちです。ダイエットをしていても「まぁいいか」という気持ちになり、報酬系の思うがまま味の濃いものを食べてしまうことになります。しっかり睡眠時間を確保することが、食欲コントロールを上手に行っていくコツです。

理想は1日7時間。はなから無理だと諦めずに、寝る前のルーティンを見直して、早寝してみてはいかがでしょうか。

・おいしいものを辞める

脂質や糖質が多い高カロリーなものは、脳の報酬系を活性化させます。そして、よりおいしいものを求めるようになります。人間の欲には果てがありません。このような事態に一度ブレーキをかけるためには、思い切っておいしいものを辞めるという選択もあります。

外食ばかりの生活なら、自炊を取り入れご飯や味噌汁といった質素な食事に切り替えてみましょう。高カロリー食への依存がとけるきっかけとなります。その後は適度においしいものを食べれば、満足度も上がることでしょう。

 

高カロリー食を好むのには理由があった!

高カロリーなものほど好んで食べがちですが、それには脳の報酬系が関わっていて、しっかりとした理由があったのです。カロリーが高いものばかり食べていると太る原因になりますが、好きなものを食べるチートデイを設けたりしてたまには脳にご褒美を与えるのもいい息抜きになりますね。脳の報酬系について理解した上で、それとうまく付き合っていく方法を考えていきましょう。

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監修・執筆:中野卓
大学では栄養学、大学院では運動生理学を専攻。現在はスポーツ科学の研究に携わる。プライベートでは筋トレが日課。ダイエットやトレーニングに関する情報を発信していく。

Posted by kamoshita