common(コモン) | カラダとココロをキレイにするフィットネス&ライフスタイルマガジン

睡眠負債で太ってない?専門家が教える、睡眠の質を高める7つのコツ

2019.6.16

ダイエットが上手くいかない、肌荒れが治らない、気持ちが安定しない。それらの悩みの根底には、睡眠が影響しているかもしれません。睡眠不足が続くによって起こる私たちの身体の変化、そして睡眠の質を改善する方法を、睡眠のプロフェッショナルである”スリープマスター”の速水 美智子(はやみ みちこ)さんに教えていただきました。

睡眠負債を抱えていませんか?

昨今、問題視されてきている「睡眠負債」。睡眠不足が続き、借金のように溜まっていく状態を指しますが、一体どんなデメリットがあるのでしょう。また、忙しくて睡眠時間が取れない方でも「睡眠負債」を解決する方法はあるのでしょうか?

そんな疑問を解決すべくお邪魔したのは、寝具メーカーの老舗「東京西川」が行なっているサービス「ねむりの相談所」。

ここでは、睡眠のプロフェッショナルである”スリープマスター”が、幅広い知識で睡眠に対する悩みを解決へと導いてくれます。睡眠負債が私たちに与える悪影響について、そして少しでも質の良い眠りをとるためのコツを教えていただきました。

睡眠負債・睡眠不足のデメリットとは

——まず根本的なことから伺いたいのですが、睡眠不足が続くとになるとどんな影響があるんですか?

東京西川 ねむりの相談所 スリープマスター

厳密なことを言うと、なぜ人間が眠るのかということはまだまだ解明されていないところなのですが、眠っている間に何が起こっているか、睡眠を取らないとどうなるかについてはいろいろな研究結果が出ています。

まず、睡眠が足りないと日中眠くなってしまって、集中力の低下に繋がります。

それから、女性は特に気になると思うのですが、お肌のコンディショニングにも影響してきます。それは、睡眠不足の状態だと成長ホルモンが分泌されにくく、新陳代謝が低下してしまうからなのです。

睡眠不足は、肥満の原因にもなります!

睡眠が十分でないと代謝機能が落ちます。それから”グレリン”という食欲を起こすホルモンの分泌が多くなり、同時に、”レプチン”という食欲を抑えるホルモンの分泌が減ってしまいます。その結果、睡眠不足は食欲を増加させてしまうことがあるんです。

睡眠はダイエットに深く関係していると言えますね。

”質のいい眠り”が成長ホルモンを分泌を促す

——成長ホルモンというのは、大人になってからも分泌されるものなんですか?

はい。ただ、年々少なくなっていくのは残念ながら事実。なので、いかに質のいい睡眠をとって効率よく分泌させるか、ということが大事になってくると思います。

成長ホルモンには、細胞の新陳代謝を促し、身体の怪我や、ダメージの受けたところなどを修復する作用があります。

——ということは、逆に睡眠の質が悪いと成長ホルモンが分泌されにくい?

その通りです。質が悪い睡眠というのは、深い睡眠まで入ることができない睡眠のこと。

睡眠が浅い状態だと、成長ホルモンが分泌されません。すると肌の新陳代謝も行われず悪い影響が出る可能性もあります。しっかり深く眠って、成長ホルモンを出してあげることが大切ですよ。

ーーたくさん眠ればいいということですか?

いえ、睡眠には”眠りの深さ”というのがあるのですが、一番深い眠りに入った時に成長ホルモンが分泌されるということが研究でわかっています。単にたくさん眠ればいいというわけではないんです。

睡眠負債は、心や記憶力にも悪影響!

——なるほど。綺麗な肌のためにもダイエットのためにも、しっかり睡眠を取らないといけないってことですね。他にも、睡眠不足による影響はありますか?

”眠る”というのは脳を休める機能もあるので、どうしても休みが取れないと精神的に不安定になったり、イライラしてしまったりする原因にもなります。

それから、前日あったことの記憶を定着する作業も睡眠中に行われているので、睡眠が十分に取れないとその作業ができなくなってしまいます。

記憶の定着には、”レム睡眠”、”ノンレム睡眠”が深く関わっています。

下の表を見てもらうと分かりますが、うとうと眠り、と書いてあるところが”レム睡眠”、浅い眠りから深い眠りに落ちているところの3つが”ノンレム睡眠”にあたります。

一晩の眠りのサイクル

簡単に役割を説明すると、ノンレム睡眠というのは身体も脳もしっかり休んでる深い眠りのことを言います。さらに、ノンレム睡眠の1番深い眠りのことを”徐派睡眠(じょはすいみん)”と呼び、ここで成長ホルモンが分泌されると言われています。

レム睡眠というのは、身体は休んでいるが脳は起きている状態のこと。レム睡眠中は脳が活性化されているので、1日の記憶の整理や定着をここで行なっています。

ノンレム睡眠:深い眠り、身体も脳も休んでいる状態。
     ⇒一番深い徐派睡眠中に成長ホルモンが分泌される。
レム睡眠:浅い眠り、身体は休んでいるが、脳は起きている状態。
     ⇒ 記憶の整理・定着が行われる。

このレム睡眠、ノンレム睡眠を繰り返す周期が大体90分で1サイクルと言われています。そのサイクルを一晩に何度も繰り返しながら、就寝から起床に向かっていきます。

”時間帯”は関係ない!”寝始めの3時間”がとても大事

先ほどの表を見ると分かりますが、眠りについてから3時間までに深い眠りにつく周期がとれています。なので、就寝直後から3時間が1番大事だと言われているんです!

この時間に質のいい睡眠がとれていると、疲れがしっかりと取れます。長く寝ても疲れが取れない人は、睡眠の質があまりよくないと言えます。逆に短くても元気な人は、短時間でも深い睡眠を取れていると言えますね。

よく眠れて元気な人 睡眠不足 春の睡眠

少し前まで、22時〜2時までが”シンデレラタイム”やゴールデンタイム”と呼ばれ、その時間に眠ると良いと言われていたかと思いますが、実は時間帯はあまり関係ないんです。それより、寝始めの3時間で深く眠ることが成長ホルモン分泌にとても大事です。

——どうすれば深い眠りにつけるんですか?

より深く眠るためには、寝室の環境を整えること、眠る前の過ごし方を工夫することが大事です。それぞれ指標があるので、詳しく説明していきますね。

睡眠の質を高める環境づくり

1、音

なるべく静かな状態が理想です。

ただ、人によっては静かすぎるとかえってそれが緊張してしまう、という場合もあると思います。そのような時は眠りに入るまでの間、ヒーリングミュージック、例えば小川のせせらぎのような自然音の入ったリラックスできる音楽をかけていただいて、眠る頃にはタイマーで切れるようにすると良いと思います。

&Free ねむりの相談所 眠れる音楽(&Freeで取り扱っている、ヒーリングミュージックなどのCD)

2、温度・湿度

冬場は22度・夏場は25度くらいが理想と言われています。湿度は50%前後くらいですね。

冬場も夏場もエアコンをつけて、一定の温度を保っていただくことが望ましいです。ただ、エアコンの風が直接身体に当たってしまうと、寝冷えの原因となってしまうので、風向きを調整して風が直接当たらないようにしてください。
エアコンをつけっぱなしだと、冬場などは乾燥が気になると思うので、加湿器などを使って湿度を保つことも大事ですね。

3、光

最も睡眠に影響があるのが”光”です

睡眠と光の関係 間接照明

ホテルのお部屋は、寝室に適した照度になっていることが多いです。間接照明などを使って、オレンジっぽい、温かみのある光で部屋を照らすと良いとされていますね。

寝たときに直接目に光が入ってこないように、間接照明やフットライトなどで、部屋をほんのり照らすくらいがおすすめです。

寝る時は、真っ暗にするのが望ましいです。

ただ、暗闇が苦手な方や、お子さまの場合は、真っ暗なのがストレスになりかえって眠れなくなってしまうことがありますよね。そういう時は、豆電球のような小さなライトをつけていただくと良いと思います。その程度だと、眠りへの影響は少ないです。

逆に蛍光灯などの白く強い光ですと脳を覚醒する作用があるので、寝る前は控えていただきたいですね。コンビニや、テレビ、スマートフォンの使用は強い光が直接目に入ってきてしまいます。スマホは寝る30分前くらいまでに控えていただくのがいいと思います。

睡眠の質を高める夜の過ごし方

4、入浴

ぐっすり眠るためには、身体を温めることがとても大事です。

体温と眠気の関係図

上の図を見ていただくと、夜にかけて体温が上がって、下がるタイミングがありますよね。その体温が下がるタイミングで眠気が高まると言われているので、寝る2〜3時間くらい前までに入浴を済ませ、まずはしっかり体温を上げましょう。

入浴する女性 睡眠と体温

身体が温まると、手足などの末端から熱が逃げていきます。そこで体温が下がり眠くなる、と言われているので、放熱しやすいように特に手足は温めてあげることが大事です。

シャワーでさっと済ませてしまうのではなくて、ぬるめのお湯にゆっくり浸かっていただいて、しっかり深部まで温めることをおすすめしています。

5、飲食

夕食を寝る直前にとってしまうと、胃の消化作用にエネルギーが取られてしまい、質のいい睡眠がとりにくくなります。寝る3時間ほど前には済ませておくのが理想です。

お酒も同じですね。寝る直前まで飲んでいると、肝臓がアルコールの分解にエネルギーを使ってしまうので身体が休まりません。またアルコールは耐性がつきやすく、量が増えてしまいがちなので、飲み過ぎは注意してください。

夜、お腹が空いてどうしても何か食べたいなという時には、空腹感を和らげ、さらに身体を温めてくれるホットミルクがおすすめです!

牛乳に入っているタンパク質の中の”トリプトファン”という物質が“セロトニン”というホルモンに変わり、さらに“メラトニン”という眠気を促すホルモンに変化すると言われています。また牛乳にはカルシウムが多量に含まれていますので、イライラを解消し、安眠につながる効果もあるでしょう。

6、香り

リラックスするということも、深く眠るためにとても大事です。アロマのエッセンシャルオイルは鼻から直接入って、自律神経の切り替えをサポートし、心身をリラックスさせる作用があるので、おすすめです。

ラベンダーやローズ、ヒノキ、カモミールなどのエッセンシャルオイルは、副交感神経を高める香りだと言われています。副交感神経が高まるとリラックスモードに入り、眠りに入りやすくなります。

東京西川 &Free ねむりの相談所 夜の香りエッセンシャルオイル(&Freeで取り扱っている、リラックス効果のあるエッセンシャルオイル)

逆にレモンやペパーミントなどのシャキッとした香りは、交感神経を高める効果があるので朝向けの香りです。シーンによって使い分けてみてください。

睡眠の質を高める服装

7、パジャマ

寝るときは、汗をしっかり吸ってくれる綿などの天然素材のパジャマを着て寝るのをおすすめしています。

例えばスウェットなど、ウエスト部分のゴムの締め付けがきついものですと、血流を妨げる原因になってしまいますし、生地が分厚いものだと、寝返りがうちにくくなってしまいます。そういったものは寝る時はなるべく避けていただきたいです。

モコモコしたルームウェアを着る女性もいらっしゃるかと思いますが、生地があまり汗を吸わないポリエステルやアクリルであることが多いので、ルームウェアのまま寝てしまうと蒸れてしまったり、放熱ができずに熱が溜まり、睡眠の質が下がる原因に。

なので、寝る時は薄手で、汗をしっかり吸う素材のパジャマに着替えていただくことが望ましいです。夏は麻やシルクで出来たものがおすすめですね。

そして、夏でも袖のあるものがおすすめです。

夏は暑いのでキャミソールなど、肌を出した薄着で寝る方も多いと思いますが、寝ている時は約コップ1杯分の汗をかくので、その汗が吸われずに残ってしまうと、冷えの原因になることもあります。しっかり汗を吸ってくれるものを選びましょう。

また、汗や皮脂が直接寝具につくので、寝具のお手入れも大変になります。パジャマでしっかり汗を吸って、パジャマをこまめに洗うことをおすすめしています。

 

寝ても疲れがとれない、朝起きるのが辛いという方は、良質な睡眠のためにお部屋の環境や寝る前の過ごし方を見直してみませんか?難しいことは一つもないので、ぜひ今日から実践してみてはいかがでしょうか。

SHOP INFO

&Free ねむりの相談所 有楽町マルイ店

WEB
https://nemuri-soudan.jp/
住所
東京都千代田区有楽町2-7-1
営業時間
平日  11:00~21:00
日・祝 10:30~20:30
TEL
03-6551-2499

text:Eri Sakata

Posted by admin