BMI19~20は要注意。痩せている人が糖質制限ダイエットしてはいけない理由

ダイエットの方法として糖質制限がメジャーになってきましたね。しかし糖質制限は痩せている女性が行うと危険な場合もあります。今回は、スポーツ科学と栄養学を専門とする筆者が、糖質制限が痩せている女性に危険な理由、そして痩せている女性に適したダイエット法を紹介していきます。
痩せている人にとっては糖質制限が危険なことも・・・!?
最近体重が増えてきた、お腹や太ももに贅肉ががついてきて気になる・・・となると、てっとり早く“糖質を減らしてみよう”と考える方は、多いかもしれません。
それほどまでに、「糖質制限ダイエット」は、ダイエットの方法としてメジャーになってきましたね。
しかし、糖質制限ダイエットは、既に痩せている女性にとっては危険な場合もあります。間違った糖質制限ダイエットは、不利に働くことも・・・。しっかりと知っておかないと、今後後悔してしまうかもしれません。
そこで今回は、スポーツ科学と栄養学を専門とする筆者が、痩せている女性に糖質制限が危険な理由や、痩せている女性に最適なダイエット方法を紹介していきます。
そもそも“痩せている”基準は?
女性なら少しでも体重を減らしたいと考えているかもしれませんが、極度に体重を減らしすぎると危険です。まずは自分が痩せているのかどうかを知る必要があります。
痩せているかどうかの判断基準の一つとして、BMIが使われます。BMIは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値です。この数字が19以下であれば十分体重が軽く、痩せていると言えます。
BMIが19〜20の間は、十分痩せているので、それほど体重を気にすることはありません。これ以上体重を減らしても、胸から痩せてしまい、理想とするボディラインにならないこともあります。
これからダイエットを始めようと考えている方は、まずは自分のBMIを計算してみましょう。
実は危険!?痩せているのに糖質制限ダイエットをするデメリット
BMIを計算して痩せていてもまだ体重を減らしたい、どうしてもお腹周りが気になる、という方もいると思います。そんな場合、ダイエットの方法として糖質制限を選んでしまうかもしれませんが、痩せている女性に糖質制限は危険なこともあります。
痩せている女性が、糖質制限ダイエットを行うデメリットを危険なのか解説していきます。
1、すぐに疲れてしまう、頭が働かない
人は体を動かすために、糖質と脂質をエネルギー源としています。しかし痩せている女性の場合、エネルギー源となる脂肪が少ないので、糖質がメインのエネルギー源となります。
そんな中で糖質制限ダイエットを行ってしまうとどうなるでしょうか。体や脳を動かすためのエネルギー源がなくなってしまい、すぐに身体が疲れてしまう、頭が働かないといった状態になってしまいます。
糖質は太ると言われていますが、体内では使いやすいエネルギー源としての役割も果たします。極度に減らしすぎると体に悪影響が及びます。
2、筋肉が削られボディラインにメリハリがなくなる
体内では糖質と脂質が主なエネルギー源として使われますが、その両方ともがなくなった時に、臨時のエネルギー源として使われるものがあります。それが筋肉です。
痩せている女性が糖質制限を行うと、エネルギー源となる脂肪が少ない上使いやすいエネルギー源である糖質も体内に入ってこないので、筋肉がエネルギー源として使われていきます。せっかくトレーニングをしてつけた筋肉が削られていくので、もったいないですね。
筋肉が減ってしまうと引き締まったボディラインから遠ざかります。また、疲れやすくなることも。さらに、基礎代謝が落ちて痩せにくい体質になってしまいます。
筋肉を減らさないためにも、痩せている女性は糖質制限を控えた方がベターです。
3、体への負担が大きい
痩せている女性が糖質制限を行うと、筋肉がエネルギー源として使われ、筋肉が減って疲れやすくなります。
実は筋肉が減るデメリットはそれだけではありません。筋肉がエネルギー源として使われる際には、アンモニアが発生します。
アンモニアは体内では有毒な物質です。筋肉を分解することで発生したアンモニアは腎臓で尿素に変えられて体外へ排泄されます。
このように筋肉がエネルギー源として使われる際には、有毒な物質も同時に作られ、それを処理するために腎臓に負担がかかります。痩せている女性の場合、糖質制限は体への負担が大きい方法と言えます。
このように、痩せている女性の場合、糖質制限ダイエットでは思うようなボディにはなれません。疲労がたまり、精神的にも健康でなくなってしまうかもしれません。BMI19~20の痩せている女性は、こんなダイエット方法がオススメです。
おすすめダイエット方法1:トレーニングで筋肉をつける
まずはしっかりとトレーニングを行い、筋肉を増やすというダイエット方法です。
「筋肉が増えたら体重が増えて、痩せられないのでは?」なんていう声が聞こえてきそうですね。しかし、しっかり筋肉をつけると、引き締まって痩せて見えることはほとんどです。
これまで体重計の数字に敏感だった方は、一度自分の体重を忘れて鏡を見てみましょう。体重は減っても結局見た目が変わらなければ、ダイエットは成功と言えません。
BMI19~20なのに、痩せて見えない原因としては、筋肉が少なく、引き締まった体ではない、ということが考えられます。トレーニングで、脂肪が燃える体を作りましょう。
おすすめダイエット方法2:食べ方を変える
痩せている女性の場合、糖質を制限してしまうと体で使いやすいエネルギー源がなくなり、筋肉が減ってしまいます。
今痩せていてもさらに脂肪を減らしたい、という方は食べ方を工夫しましょう。食べ方の工夫としては、食物繊維を多く含むものを意識して摂ったり、ゆっくり噛んで食べたり、ということが挙げられます。
食物繊維はお腹の中で水分を含んで膨らみ、満腹感を感じさせてくれます。食事の前に食物繊維が多く含まれているものを食べると、自然と食事の量が減ります。
食物繊維の多い食品としては、ごぼうやキャベツのような繊維質な野菜や、やキノコ類、海藻類などが挙げられます。
ゆっくり噛んで食べることでも、満腹感を味わうことができます。食事を始めると満腹ホルモンと言われるホルモンが分泌されます。しかしそれが脳に届き、満腹感を感じるには20分ほど必要と言われています。
ゆっくりと噛んで食べることで、満腹ホルモンの効果が効いてきて食事の量を抑えることができます。またよく噛んで食べることで、交感神経が刺激されて消費エネルギーの増加にも繋がります。
おすすめダイエット方法3:有酸素運動を行う
健康的に脂肪を減らして痩せるための方法としては、有酸素運動が推奨されます。有酸素運動はウォーキングやランニングなど、楽に30分ほど続けられる運動のことです。
有酸素運動を行うことで、体内の脂肪がエネルギー源として使われ、脂肪を減らすことができます。
ダイエットを行う際には食事制限だけでなく運動も行うことで、より効果的に痩せることができます。運動は健康の維持増進にも繋がりますので、健康的に痩せたいという方は、積極的に運動を取り入れましょう。
糖質制限ダイエットが正解とは限らない!
既に痩せている女性の場合、糖質制限ダイエットが危険なケースもあります。糖質制限のせいでいつも疲れている、顔色が悪い、頭がボーっとするといった毎日になってしまっては、よりよい人生から遠ざかってしまいます。痩せている方には糖質制限よりも最適な方法があるので、そうした方法でダイエットを行うようにして、理想のボディを手に入れましょう。
監修・執筆:中野卓
大学では栄養学、大学院では運動生理学を専攻。現在はスポーツ科学の研究に携わる。プライベートでは筋トレが日課。ダイエットやトレーニングに関する情報を発信していく。