common(コモン) | カラダとココロをキレイにするフィットネス&ライフスタイルマガジン
           

「ストレッチは痩せますか?」中野ジェームズ修一が5つの疑問に回答

2019.12.20
中野ジェームズ修一ストレッチの疑問解決

柔軟性を高める「ストレッチ」。スタイルの維持やダイエットにも良い影響があるの?トレーニング効果が高まるって本当?そんな疑問を解決すべく、今回は、17万部を突破した『世界一伸びるストレッチ』の著書である、中野ジェームズ修一さんに、ストレッチのあれこれについて伺いました!

1、ストレッチで痩せるって本当?

よく聞かれることなのですが、柔軟性とスタイルの良さは、直接的には関係ないです。

残念ながら、ストレッチをしたら脚が長くなる、細くなるということはありません。ここを誤解している女性は多いですよね。

でも、柔軟性が向上すると疲れづらくなるし、多くの運動が安全に長時間できるようになります。その結果、消費カロリーが増えやすくなります。この一連の流れで考えれば、結果的に「ストレッチでキレイになった」という見解ができると思います。

また、ストレッチで柔軟性を高めることは姿勢の改善に繋がります。それでスタイルが良くなったように見えることはあるでしょう。

気付いていない方が多いですが、姿勢の悪さには柔軟性が関係している場合もあります。二本足で立っている人間は、体の前面と背面の筋肉のバランスをとることで真っすぐな姿勢を保っています。

しかし、何もしないと前面の筋肉、例えば大胸筋(胸の筋肉)は硬くなり、前に引っ張る力が強くなります。一方で、背面の背中の筋肉は年齢と共に弱くなっていき背中が丸まってきます。これが猫背になっていく仕組みですね。

身体が硬い方は、姿勢が悪くなっていないかご自身でも確認してみると良いでしょう。

ストレッチとダイエットの関係性

  • ストレッチで“直接的に”スタイルが良くなることはない
  • 疲れにくくなるので、消費カロリーが増えて痩せやすくなるかも!?
  • 柔軟性が上がると姿勢が良くなり、スタイルアップ!(猫背が改善される)

2、ストレッチで筋トレ効果は高まる?

中野ジェームズ修一 解説

実は「ストレッチしたから筋肉が付きやすい」ということは、証明されていないです。

でも、『フルレンジモーション』といって、動かす部分を最大限に伸ばしたほうが、トレーニング効果が得られることは立証されています。また柔軟性が高いと疲れづらくなります。

なので、さまざまなジャンルのアスリートを指導していますが、運動の前後には必ずストレッチをしています。

運動だけ頑張ってストレッチをしないと、筋肉が収縮したままになってしまうから。

車で言えば、エンジンオフにしなくてはならないのに、ずっとアイドリング状態が続くイメージですね。運動後のストレッチを怠ると、身体が硬くなってしまったり、肉離れなどの怪我をしやすくなったりしてしまいます。

(※アイドリング;再び走行するために、最低限のエンジン稼働を維持し続けている状態。)

よって、やはりトレーニング(運動)とストレッチはセットで取り入れて欲しいのです。トレーニングをしているけれどストレッチはしていないという方は、損をしているかもしれません。

ストレッチと筋トレの関係性

  • 運動(筋トレ)とストレッチは必ずセットで取り入れるべし!
  • 運動(筋トレ)後にストレッチをしないと柔軟性が低下し、怪我にも繋がる
  • ストレッチで筋肉がつきやすくなるわけではないが、筋トレの効果は得やすくなる

3、運動前のストレッチって何をすればいい?

ストレッチには「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」がありますが、運動効果を高めるためには、この2つはしっかりと使い分けることが大切です。

  • 静的ストレッチ・・・開脚や長座体前屈のようにゆっくりと関節を伸ばすストレッチ
  • 動的ストレッチ・・・腕や脚、肩、股関節など身体全体を動かしながら関節を伸ばすストレッチ

ストレッチというと、静的ストレッチをイメージする方が多く、運動前にも静的ストレッチをする方が多く見受けられます。しかし、運動前にゆっくり関節を伸ばすのは逆効果になることも。

準備運動時は動的ストレッチ、運動後は静的ストレッチをとりいれるのが良いですね。

日常生活で言うと、朝起きたら動的ストレッチをして、一日が終わった仕事後などには静的ストレッチをして筋肉をゆるめてあげると効果的ですよ。

ちなみにストレッチをすると、やりやすいポーズとやりにくいポーズがでてくると思います。やりにくいなと感じるのは、その部分の筋肉が収縮してしまっている証拠。

なので、そのストレッチが、どこの筋肉を使っているかを考えてみましょう。その上で、その筋肉をほぐすための正しいストレッチを身に付けることが大切です。

あと、間違ったストレッチをいくらしても、柔軟性は高まっていきません。正しいストレッチはやはり専門家に聞くのが一番です。

運動前後のストレッチについて

  • 運動前の静的ストレッチは、逆効果になることもあるので注意!
  • 運動前は動的ストレッチ、運動後は静的ストレッチをする
  • 【日常編】朝起きたら動的ストレッチ、一日の終わりに静的ストレッチをする
  • 間違ったストレッチでは柔軟性は高まらない(専門家に教わるべし!)

4、運動してないからストレッチは必要ないでしょ?

いえいえ、運動をしていない人こそ、ストレッチはぜひ行って欲しいと思います。

「運動もストレッチもしない→筋肉が硬くなる→疲れやすくなる→運動しづらい身体になる」といった、太りやすいサイクルを断ち切るためにもストレッチは有効です。

それに毎日のストレッチは、自立神経の乱れの改善にも効果があります。

ストレスや緊張が多く、運動不足の現代人は、交感神経が優位になっていることが多いです。筋肉が硬く緊張していると、さらに身体は交感神経優位に働いてしまいます。

そこで、ストレッチを取り入れて筋肉を弛緩(しかん=ほぐすこと)させると、副交感神経優位に働くようになります。自律神経の乱れを整えると、気持ちが安定したり、安眠できるようになったりと良いことがたくさん起こります。

運動していない人がストレッチをするメリット

  • 太りやすいサイクルを断ち切るきっかけになる
  • 自立神経が整い、気持ちの安定、安眠に繋がる

5、ストレッチ・トレーニングを継続するコツは?

ストレッチする女性

ストレッチやトレーニングは、1日やっただけでは意味がなく、継続することで身体が変わっていきます。

そのためには、目標と計画を立てることが大事です。

そこで「毎日10キロ走ろう!」と大きな目標を掲げてしまうのは、失敗の元になるので注意してくださいね。例えば僕の場合は、12キロのランニングコースだけじゃなく、少しハードルを下げた6キロのコースも用意しています。

かかる時間が倍違うので、時間的に余裕がないときは6キロを選択する。疲れているときは、ジョギングペースで走るといった感じで、ハードルの低い運動を選べるようにして継続させています。

考え方としては、小さな目標でもそれを実行すれば1以上であり、実行しなければゼロだということ。今から、10分のストレッチだけならできる・・・だったら、それだけでもいいんです。何もしないよりはずっといい。実行したことに意味があります。

「今日もできた」という小さな成功体験を積み上げていくことで、誰でも継続できるようになりますよ。

それから、いつやろうと具体的な日付を決めてしまうこと。予定にいれて、どんどん実行していきましょう。

ストレッチやトレーニングを継続するコツ

  • 大きすぎる目標を掲げない(失敗の元!)
  • ハードルの低い選択肢を用意する(10分間のストレッチでもやらないより良い!)
  • 毎日続けて、成功体験を積み上げていく
  • 具体的な日程を決めて、予定に組み込む

運動不足の現代人に警鐘!ジョギングで5年後の体を変える

最後に、みなさんには日常的にもっと運動をして欲しいと思います。

成人してから、運動をあまりしない生活をしていると、年に約1パーセント、下半身の筋肉が落ちていきます。

下半身の筋肉が減ると、脚が痛くて歩くことが困難になったりして、自立した生活ができづらくなる。最近では二十代の女性で、もう膝が痛いという人が増えています。

ぜひ行って欲しい運動は、ジョギング。ウォーキングはしないよりはましですが、筋肉量自体はあまり増えないんです。通勤・通学の駅間を、ひとつかふたつ分歩いても、あまり意味はないですね。息が弾まないものは、運動とは呼べません。

普段与えない、強い刺激を筋肉に与える運動が望ましいです。ジョギングなら、息も上がりますし、筋肉量の増加に繋がります。

理想を言えば、ジョギングなどの運動の時間を、1日30分・週5回以上は持って欲しい。30分を1時間にして、ペースは2日に1回にしても効果はあります。しかし最初からこの量の運動はできません。最初は1日10分・週2回からでも良いです。長期で考えて少しずつ増やしていけるように頑張りましょう。

ぜひ健康な体のためにも、始めてみてください!

 

 

ストレッチの効果や重要性について、プロの視点で教えてくれた中野さん。姿勢が良くなる、疲れにくくなる、太る流れを断ち切れる、など女性にとって嬉しいことばかり。筋トレをしているなら、効果を上げるためにもストレッチは必須であることが分かりましたね。

毎年1パーセントも下半身の筋肉が減っているという話も印象的でした。現代人の私たちは、もっと運動しなくては将来恐ろしいことになるかも・・・。ハードルを下げつつ、ストレッチやトレーニングを習慣化していきましょう。

中野ジェームズ修一(フィジカルトレーナー、米国スポーツ医学会認定運動生理学士)

1971年生まれ、長野県出身。
日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。卓球の福原愛選手やバドミントンのフジカキペアなど、多くのアスリートから絶大な支持を得る。2014年からは、青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当している。

取材・文・撮影:山崎光尚
編集:common編集部

Posted by kamoshita