バズーカ岡田『無敵の筋トレ食』に学ぶ、自分の体の乗りこなし方

「週2回ジムでのトレーニングと、週21回の食事、どっちが体に影響を及ぼすと思います?」そう問いかけるのは、『無敵の筋トレ食』著者であるバズーカ岡田さん。なりたい体になるにはとにかく筋トレ!という考え方を大きく覆す、驚きのメッセージがたくさん飛び出しました。人生をも変える『無敵の筋トレ食』とは・・・?
岡田隆/体育科学者、理学療法士、スポーツトレーナー、ボディビルダー
1980年生まれ。日本体育大学体育学部 准教授である傍ら、日本オリンピック委員会 強化スタッフや、柔道全日本男子チーム 体力強化部門長なども務める。メディアにも骨格筋評論家「バズーカ岡田」として度々登場し、活躍の場を広げている。
https://bazooka-okada.jp/
目次
筋トレ<毎日の食事の方がインパクト大


岡田さん
筋トレしていると、より納得がいくだけで、この一冊には「食べることへの考え方」がすべて詰まってるんです。

common編集部

岡田さん
「“自分の体の乗りこなし方”を分からずに死んでいくっていうのは、すごく勿体無いことです。」

common編集部

岡田さん
「毎日の食事」が体に与えるインパクトって、筋トレをはるかに上回ると僕は思ってるんですよ。

common編集部

岡田さん
はい。体を変えるために筋トレするって方は多いですが、基本的な体の取り扱いってもっと簡単なんですよ。食べるルールを知って「毎日の食事」を整えればいいだけ。
それさえ実践していれば、自分のなりたい体でいつづけることができます。食を変えることは、人生を変えることなんです。
炭水化物を抜くとジム代が無駄になる

common編集部

岡田さん
まずはそこ!炭水化物について、多くの方が誤解しているんですよ。
僕なんかも、食事に行ってご飯を食べようとすると「食べていいんですか!?」って言われることが多いんですが、ご飯(炭水化物)は体のエネルギーになるので絶対に必要です。車でいうガソリンみたいなものです。

common編集部

岡田さん
タイミングによっては、炭水化物を摂らないとむしろ体づくりに悪影響なこともあります。例えば、炭水化物を抜いてエネルギーが足りない状態でトレーニングをしてしまうと、質のいい筋トレができなくなってしまう。高いお金だしてジムに通っていても、これじゃかなり効率が悪いです。筋トレでいい体をしている人って、わりと炭水化物を食べてますよ。

common編集部

岡田さん
エネルギーがないまま筋トレを続けていくと、痩せていくときに筋肉の維持ができなくなるので、メリハリのない弱々しい体になっちゃいますよ。

common編集部

岡田さん

common編集部

岡田さん
裏をかえせば、ご飯を全く食べないっていうのは腸の状態が悪化して痩せにくくなる可能性もあるので、よくないんです。

common編集部

岡田さん
ただ、ご飯を食べるルールは知っておいた方が良いですね。
トレーニング前は、白米などで即効性のあるエネルギーを補給する。トレーニングをしていない方、エネルギーを必要としない普段の生活であれば、食物繊維が多い雑穀米、玄米、麦飯などがおすすめです。

common編集部

岡田さん
僕自身、普段は雑穀系のご飯を食べています。

common編集部

岡田さん
「みなさん、ご飯を“我慢”するんじゃなく、“工夫”して食べましょう!」
脂質管理で引き締まった体になる

common編集部

岡田さん
僕の中でベストという、メインに食べているのはこの3つです!
・鳥の胸肉を茹でたもの
・温野菜
・スーパー大麦入りのご飯
あとは、納豆か卵っていう感じですかね。
<common編集部メモ>
- 大麦:イネ科の穀物。日本では「麦ごはん」にはいっているのが大麦です。食物繊維量は白米の約10倍!
- スーパー大麦:オーストラリア連邦科学産業研究機構が改札した、高機能な大麦。食物繊維量は白米の40倍以上と言われています。玄米と比較しても約7倍の食物繊維含有量を誇ります。

common編集部

岡田さん
定番ですね~。栄養素の内訳としては・・・
鳥の胸肉: タンパク質
納豆、卵(黄身の部分): 脂質
温野菜、スーパー大麦: 食物繊維、ビタミン、ミネラル
ご飯: 炭水化物(糖質+食物繊維)、ビタミン、ミネラル
を摂っている感じですよ。

common編集部

岡田さん
※PFCバランス:タンパク質(P)・脂質(F)・炭水化物(C)のバランス

common編集部

岡田さん
脂肪っぽい体にしないためには、脂質の摂取量を意識すると良いと思います。ただ、脂質は身体の材料になる栄養素でもあるので、ある程度は摂取した方が良いです。

common編集部

岡田さん
筋トレをしている人だったら、体重1キロあたり2グラムのタンパク質を摂るのが基本ですね。していない人は、体重1キロあたり1グラムのタンパク質を摂りましょう。
鳥の胸肉100グラムには、22〜23グラムくらいのタンパク質が入っています。この値を目安に、卵など他のタンパク質源のおかずを足していくのが良いと思いますよ。
プロテイン不要の食事が本当の意味で「無敵」

common編集部

岡田さん
個人差はあると思いますけど、頼りすぎるのはよくないと思っていて・・・

common編集部

岡田さん

common編集部

岡田さん

common編集部
※プラセボ効果:効き目のある成分がはいっていない偽薬(プラセボ)を服用しても、効き目があると信じていると、病気の症状が改善することがあることを指す。

岡田さん
そうしたら、だんだんと食事への興味が薄れて、食べても美味しいと思わなくなってしまったんです。あと服用のために水をたくさん飲むので、下痢気味でしたね。

common編集部

岡田さん
サプリメントをあまり摂らない今の方が、トータルでいい感じです!

common編集部

岡田さん
プロテインもサプリメントも栄養補助食品だということを忘れちゃだめです。それらに頼らず、「普段の食事」で栄養を補給できるのがベストですね。それこそ、無敵の食事方法だと思います。
しかし私ですら、毎日の食事を完璧に管理することはできません。ですから必要に応じてプロテインに力を借りて、完璧に近づけていくという考えが良いと思います。
ボディメイクに数字はいらない

common編集部

岡田さん
僕、体重や体脂肪率は気にしなくていいと思うんです。 “ダメなダイエット”ってまさに、数字にこだわりすぎることなんですよ!そのせいで悲しい思いをしている人をたくさん見てきました。

common編集部

岡田さん
筋肉って脂肪よりも重いので、脂肪が減っていても体重が変わらないこともあります。体内の水分量によって体重が1~2キロ増えることもざらです。それをいちいち気にしてると、モチベーションが下がりますよね。

common編集部

岡田さん
だから、食べないで体重を減らすんじゃなくて、食事の正しいルールを知って取り入れること。週21回の食事を変えれば、絶対に体は変わりますよ!
素晴らしい肉体美も披露してくれました!岡田さん、ありがとうございました!
インタビュー中、自分の体を変える事での可能性についてしきりに語っていたバズーカ岡田さんの情熱は凄まじいものがありました。食事をないがしろにしていたことに反省・・・。ストイックに頑張れないという方も、日々の食事を少しずつ見直すことで、人生が変わっていくかもしれません。「食事は人生を変える」。バズーカ岡田さんのメッセージを、ぜひ心に刻んでみてください。
文:佐藤靖晟
撮影:小山田滝音(ブラインドファスト)
編集:commom編集部
common編集部